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幼少の頃、母が作ってくれたミートソーススパゲティ、子供たちを待たせて作る茹でたて、ソースも手間の掛かった物だったのでしょう子供ながらにそのおいしさには感動したものです、何度もお代わりを要求して母を驚かせたものです。
子供でなくても美味い、不味いは大きな問題です、作る人、食べる人双方が嬉しく思えるような食の機会であってほしい、食べる人はおいしく食べ、その中に作り手の努力を感じたり、工夫を見つけたり、また作る人はおいしさを理解してもらうことを喜び、その人の健康を願ったりその後の努力に繋げていきます。そういった食することのコミュニケーションは作り手にとって指針であり、原動力でもあります。
「質が良いしかも値段が安い、価値ある食材を探す、工夫し手を掛けることでリーズナブルな食材をより高いレベルの料理に仕上げる」このようなことに私達は意識し努力しています。
地域の方に頻繁に使っていただくことを目標にしていますから値段設定は安く、先ほどのミートソスースのようにあまり気取らず安い材料をうまく使ってしかし手間は惜しまずに良いものを作る。
手間の掛かる食材は材料としてはあまり人気がありません、誰でもできるなら手間を掛けずにおいしく作りたいものです。
畜産家の方が丹精込めて育てた芸術品のような霜降りの和牛はただ塩を振って焼くだけでもおいしい。逆に部位にもよりますが普通に飼育された仔牛例えばスネ肉などはどうでしょう、ただ焼いただけでも香りは良く見た目もおいしそうなのですが、筋の多い部位で中途半端に加熱したことで繊維が強くしまり噛み切るのが難しいほど固くなってしまいます。調理法次第なのですが、これが適切に下ごしらえしてオーブンで調理すると、素晴らしくふっくらと軟らかい食感に変わります。さらに有難いことに材料としてあまり人気がない分安く仕入れることができます。
2仔牛のこういった部位はラ・フレッチャでは常にメニューから消えることはありません。煮込んでパスタに、野菜と合わせてヘルシーな一品に、そのままメイン料理として、万能選手の活躍です。筋っぽい部位は煮込むことでゼラチン状に変化し、ちまたで人気のコラーゲンを取るのに良い食べ物となります。
仕上がった肉を切ってみると筋だった部分は綺麗に透き通り、その筋で硬く支えられていた肉の部分もフワリとおいしそうです。
ラ・フレッチャでは特にこの調理をオーブン、伝統のブレザーブスタイルで行うことによってより旨みをしっかり閉じ込めて人気の一品にしています。

しっかり必要な手順を踏んで伝統の味を再現することはとても大切なことです。
ミネストローネが当店では人気の一品になっています。最初は冬場のスペシャリテとしてお出ししていたのですがリクエストが多く年間通しての定番メニューとしました。
本当に特別な手間は掛けていないもので、材料も手順も基本通り、これを覚えていただくとご家庭でも充分おいしくできる料理です。
これだけ基本的なものに好評をいただくのは、申し訳なくさえ思ってしまいますが、これが本当にハマる方には毎回ご注文いただきます。もっとアレンジして違う個性を出すことも可能です。他店では時より目にしますが、当店では野菜が中心の伝統通りの手法で作り提供しています。これが例えば日本の味噌汁のように染み入るような飽きの来ない味わいでまた飲みたくなるのでしょう。2
ミネストローネは野菜のおいしさを100%以上に引き出す素晴らしい料理と思います。野菜を適度な大きさに刻み、オリーブオイルでしっかり炒めて軽いスープを加えて適度に煮る、コツと言えば皆さんが想像するよりもおそらく強めの火加減で、炒める途中で塩を加えることでしょうか、特別なことはしていません。できないと言った方が良いかもしれません、そのままでおいしいような強いスープを加えると折角の野菜の旨みが消されてしまう、野菜のおいしさを忠実に表に出すように作ることが大切です。
比較的根菜類は価格も低く安定しているし、元々スープは案外コストのかかりがちな料理なのですがこれを低価格でも提供できる、当店の方針にあった料理と言えるかもしれません。

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